特定の恐怖症・・その1
◆ 特定の恐怖症って・・・? 動物(ヘビ)、鳥、昆虫、高所、雷、飛行、閉所、 血液、注射、歯科や病院、 トンネル、 橋、鋭利な刃物などのような特定のものを見たり、 想像したりするととても恐くなり、 苦しんだり、 辛くなったりしてしまいます。 そうならないように見ないようにしたり、 想像しないようにしたりすることで、 苦しみや辛さを避けます。 ですが、このようにしていると 日常生活に不都合が生じてしまいます。 この不都合を生じている状態が特定の恐怖症です。 ◆ よく発症する年代は・・・? データによると、よく発症する年代(好発年代)は 小児期と20歳代半ばにあると言われています。 また、特定の恐怖症は、精神的な病気の中で最も頻度が高く、 一生涯のうちに10~13%がかかるという報告もあります。 しかし、恐怖症の対象は、 ある特定のものや状況だけですので、 それらを避ければ日常生活を 何とか送れる場合も多く、 治療を必要とするほどの重症例はまれです。 男女別でみると、女性が多く、 特に、動物型、自然の力型、状況性の型では、 その75~90%が女性です。 また、高所恐怖や流血・注射・外傷の型ではやや女性が少なく、 全体の55~70%を占めています。 なお、特定の恐怖症に女性が多い理由の1つに、 世界じゅうの殆んどの社会が男性が恐怖や恐怖症に ついて述べる事を良しとしていないためではないか?という説も あります。 ◆ どんな症状があるの・・? 特定の恐怖症では、ある特定の対象や状況にさらされたり、 あるいはイメージするだけで、 著しい恐怖感が出現し、 時にはパニック発作を起こす事もよくあります。 また、流血・注射・外傷の型は血管運動性失神 (急に血圧が低下し倒れてしまう)、 いわゆる 「脳貧血」 が約75%の人で見られます。 患者さんは、この恐怖が行き過ぎたもので 理屈に合わないことがわかっていますが、 自分ではどうする事もできません。 (『わかっちゃいるけど辞められない』 ってやつですね。) このため、特定の対象や状況を避けるようになってしまいます。 その結果、例えば、高所恐怖のために、 2階以上のホテルには泊まれない、 橋を渡れず会社に行けない等、 日常生活に重大な支障をきたすようなこともあります。 ///まとめると下記のようになります。/// ◇ 病 型(どんなタイプがあるの・・?) ・ 動物型 ・ 自然の力型 ・ 流血・注射・外傷の型 ・ 状況性の型 ・ その他の型 ◇ 恐怖の対象(どんなものに対して反応するのか?) ・ クモ、昆虫、ヘビ、ゴキブリ ・ 雷、嵐、水、高所などの自然環境 ・ 血液、けがを見たり、注射等の医学的処置を受けること ・ エレベーター、トンネル、橋、自動車の運転、閉所、 病院などの特定の状況や場所 ◇ 特徴 ・ 動物型・・・通常小児期に発症 ・ 自然の力型・・・通常小児期に発症 ・ 流血・注射・外傷の型・・・家族内で発症が多い。 血管運動性失神を起こす事が多い ・ 状況性の型・・・小児期と20代半ばでの発症が多い このような症状、主訴でお悩みの方、セラピーで症状の改善、 軽減は可能です。 ただし、セラピーは治療ではありませんので、 薬を服用の方、病院に行かれてる方は医師にご相談ください。