• 【 『私が私であるうちに◯◯◯を施してください』】

    いつも読んでいただいてありがとうございます。 

    心技体を整えて本来の自分を取り戻す 

    サムライセラピー寺石義和です。 


    6月に入って、夏らしさも増し、梅雨入りもし、

    また急に涼しくなった今日この頃ですが、

    如何お過ごしですか?

     

    今回は恒例の旦那目線シリーズから外れて、

    と一緒に考える場にしたいと思います。

    是非、最後まで読んでいただきたいです。

     

    ———————-

     

    それでは、今日のメッセージ 

     

     

     

    【 『私が私であるうちに

         ◯◯◯を施してください』】

     

     

    私たちが生まれてから絶対に避けられない、必ず体験すること・・。

     

    それは、何でしょうか・・・?



    生きとし生けるもの全てが通る道(と言っていいかな?)・・・!

     

     

    それは、

     

     

     

    『死』 です。

     

     

    去る6月2日、日曜日の夜、NHKスペシャル、ご覧になりましたか?

    テーマは『安楽死』、そうタイトルの◯◯◯に入る言葉です。

     

    日本では『安楽死』は認められていません。

    もし、医師が患者さんに『安楽死』をさせると『殺人罪』、

    『自殺幇助(ほうじょ)』などの罪になります。

     

    番組で取り上げていたのは、

    52歳の女性Aさんが神経難病、

    多系統委縮症、全身を激しい痛みが襲い、身体の機能が失われていく病気です。

     

    確実に『私が私らしくなくなっていく。それが怖かった。』とAさんは言ってました。

    全身の痛みを薬で抑えていましたが、

    進行していきます。

     

    多系統委縮症により最後は自らの手で、

    姉妹と医師に看取られながら命を終わらせるというものでした。

    それまでは、エリートコースで高校を卒業後、

    ソウル大学に留学し、卒業後韓国語の通訳で活躍されていました。

    その後、児童養護施設で働くことになりますが、

    その矢先に多系統委縮症と48歳で告知されてしまいました。

     

    Aさんの手記です。

    『手から物を落としてしまったり、

    平坦な道でつまづいてしまったりと、

    日々の中での症状をはじめ、

    症状が出始めて、初めて姉の前で四つん這いで動作した時、

    姉の顔を見ることができませんでした。』

    『私の心も正直、痛かったです。』

    『その光景を見た時の姉の心中も想像に難くないのです。』

     

    それに対して、

    お姉さんは、

    『壁を伝って歩いたり、そのうちにハイハイになったり、

    どんどん悪くなっていくのが切なかった。』

     

    この頃のAさんは、

    『行くたびにガッカリするが、姉たちと一緒に笑いながら過ごす

    このひと時がかなり気に入っています。』

    『心の底から面白いと感じられることがある。

    このことを拠り所にしていかなくては・・と思うのでした。』

     

    しかし、病状が悪化した去年3月、

    Aさんのこころを揺さぶる出来事がありました。

    姉と一緒に医師から紹介された病院に言った時のことでした。

    そこで、Aさんは将来自分が身につけることになるであろう

    人工呼吸器を身につけた患者さんを目の当たりにします。

     

    そのAさんの姿を見ていた姉は、

    『なんか無言で寂しそうでしたね・・。

    それがなんか一緒にいる私たちもいたたまれなくて・・。』

    病院を訪問してから間も無く、

    姉がAさんの部屋の布団の下にスカーフをつなぎ合わせた物を見つけます。

     

    それを見つけて姉がAさんに、

    『あんた、もしかしたら、いけないこと考えてるんじゃないの?』って

    問い詰めたら、

    『え?』って最初はとぼけてましたけど、

    『自分はいずれ、寝たきりになって、おしめを替えてもらっても

    『ありがとう』も『ごめんね』も言えなくなる。

    人にしてもらって『ありがとう』って言えなくなる人の気持ち、

    考えたみたことあるかって・・。』

    その日の夕方にまた、自殺を試みました。

     

    ですが、力が入らず、未遂に終わりました。

    その後も自殺未遂を繰り返しますが、

    最後にすがったのが安楽死というあり方でした。

     

    2011年に設立された、

    スイスにある安楽死団体の1つ、ライフサークルに登録します。

    現在、1660人、うち日本人は17人が登録しています。

     

    日本では延命措置を中止するというスタンス

    (これを消極的安楽死と言っています)は終末期医療の現場では

    行われ始めています。

     

    一方で、先にお伝えした薬物投与などによる安楽死

    (これを積極的安楽死と言っています)は認められていません。

     

    これまで、医師が踏み込んだ議論は行われていません。

    ですが、積極的安楽死を認めている国はいくつかあります。

    スイス、オーストラリア、ベルギー、オランダ、ルクセンブルグ、

    カナダ、コロンビア、そしてアメリカの一部(州によります)です。

    スイスでは海外からの希望者も受け入れています。

    もちろん、安楽死をして良いかどうか?基準があり、

    その基準が満たされた場合のみです。

     

    スイスでは特に、

    『自らの権利を行使すること』に最も重点を置いています。

    法律の解釈で容認されています。

     

    こうしたことをAさんは調べて、

    キーボードが打てなくなっていく中、

    緊急に対応してもらうようにライフサークルにメールを送りました。

     

    また、病状の進行具合も考えて、

    3、4ヶ月後ではスイスに行ける体力がなくなってしまうのではないか?

    と焦りが生じてきていました。

     

    このメールを送った時、

    『ホントに私は死の道を歩んで行くんだな』と少し自覚しました。

     

    お姉さんたちは、

    表向きはAさんと何気なく普通に接していましたが、

    こころの内では、どう接して良いのか? 苦悩していました。

    『毎日のように自殺を考えて、苦しんでいた時のことを考えると

    逆に私たち(姉たち)が取り乱すことも良くないだろうなぁ。

    本人にも悲しませることになるし、もちろん、日本では認められてないから

    誰にも伝えることもできなかったし、

    誰にも相談することができなかったし・・・。』・・と。

     

    一方で、Aさんの妹さんは、

    安楽死を思いとどまるようにAさんを説得してきていました。

    『鎧を脱いで、人(家族)の助けを得ながら生きて欲しい。』・・と。

     

    それに対してAさんは、

    『私に鎧をとってこれからは何もできない人で過ごすのもいいって

    反発心もあったけど反面それを認めている自分もいた。』

     

    しかし、

    負担をかけて生きることを思い描くことはAさんにはできませんでした。

    『周りの人間も苦しい。

    (家族が)お互い疲弊することが容易に想像できたんですよ。』

    それでも、Aさんの妹さんは懸命に安楽死をやめるよう説得していました。

    『『こんな私でも生きていていいんだ。

    人の力を借りて生きていてもいいんだ』と思って生きてもらいたかった。』・・と。

    『安楽死でない方向に気持ちが向いて欲しい』

    その一心でした。

     

    その一方で、

    同じ病気でも自分の意志で生きると延命措置を望む人たちもいます。

    それは、

    『家族との何気ない日常に喜びを感じるから』という理由です。

    話を元に戻します。

     

    11月25日にスイスに旅立ちます。

     

    ライフサークルに着くと

    安楽死の意志確認をします。

    到着してから2日間、考える時間を与えられます。

    もちろんその中で、考えが変わったら帰れます。

     

    姉たちとの会話

    姉:『言葉が出ないね。これでいいんだろうかね?』

    Aさん:『きりがないんだよ。

    人間なんていつ死んでも今じゃないような気がするの。』

    『私だって今じゃないかもしれない気は無きにしもあらずよ。』

    姉:『私たちは間違ってることしてるんじゃないんだよね?

    ほんとにこれでいいんだよね?』

    『『まだ私は早いかな? もう少し後に延ばそうか?』って本人の言葉が

    あったらいいなという思いもどこかでありました。』

    『安楽死は家族にも覚悟を迫られる死だからこそ

    充分な話し合いが欠かせない』

    『自分が死にたいからといって家族を傷つけてはいけません。

    大切なのは本人がきちんと別れを言い、

    家族が本人の気持ちを尊重することです。』とライフサークル代表は言います。

     

    2日経ち、サークルの別の医師たちが最終判断が行われます。

    安楽死に該当しないということもありえます。

     

    姉たちはどこかで、安楽死を思いとどまってほしいと思う一方で、

    ここで引き返せばAさんが再び自殺を考えてしまうのではないかという

    不安にも襲われていました。

    『日本に返されたら、また彼女にとって地獄が始まるのかな?』って・・。

    結果、安楽死の要件を満たしていると判断されました。

     

     

    そして、最後まで安楽死に反対だった妹に、

    決意を固め、安楽死を遂行でき、それが明日決行日だと電話で知らせます。

    『お姉ちゃんのこと、時々思い出してね・・・。』と笑いながら会話されていました。

     

    その傍で、姉たちが下を向いて深刻に思っているのがとても印象的で、

    聴かされた妹さん、周りのお姉さんたち、そして、伝えているAさん本人、

    どんな思いだったんだろう?

    自分の尊厳を守るための選択でした。

     

     

    そして、その日の夜、

    3人はホテルでまさに最後の晩餐をします。

    お水で乾杯し、Aちゃんの存在は大きかったとお姉さんが伝えます。

    涙も浮かべながら・・。

     

     

    スイスに来て、

    病状が悪化してから家族の手を煩わせたくないAさん、

    これまで頼らなかった入浴介助を初めてお姉さんたちに任せました。

    『『周りにそういう助けてくれてる人、家族がいる、

    そういう力が自分にはあったんだということを

    自分でわかるようになったんだよね』って言ってきました。』と

    お姉さんが語ってくれました。

    『ありがとう ありがとう』と言う気持ちをよく言ってたそうです。

    こんなAちゃんの言葉なり、表情なりを見てたら、

    大事な家族を安楽死で見送るというのはやっぱり辛いんだけど

    苦しまずに楽にさせてあげることができるって思ったら

    私たちが迷っちゃいけないなって・・。

    その夜、3人は残された時間を惜しむように朝まで一緒に過ごしました。

     

     

    そして、11月28日、決行日当日の朝。

     

    ホテルからライフサークルまで向かいます。

    この間、車の中でも会話は一切なく、

    番組のナレーションもしばらくの間一切入りません。

    それが、かえって響きます・・。

     

    到着後、すぐに

    Aさんに誓約書を署名してもらいます。

    その後、ベッドへ・・・。

     

    点滴の針を刺し、

    安楽死する点滴は自ら投与するので、

    その手順の説明を受けます。

    点滴を始めると、数分で死に至ります。

    その薬が医師によって点滴のボトルに入れられると

    姉たちが『入れちゃった・・。』と声を発します。

    安楽死と認められるために

    警察に提出するビデオ撮影も行われます。

    質問にも答えながら、

    医師に『準備はいい?』って聴かれます。

    姉たちは祈るように見守っています。

     

     

    そして、

    『じゃぁ、開けま〜す』と

    点滴を自分に投与し始めます。

    Aさん:『ありがとね。 いろいろ。』

    姉さん:『Aちゃん、ありがとね〜・・・』

    『こちらこそ、ありがとう』

    Aさん:『最後にこんなに見守られるなんて想定外。 ほんと。』

    姉さん:歩み寄ってAさんの頭を撫でながら、

    『ごめんね・・。楽になれるね。』

    Aさん:『そんなに身体辛くなかったよ。

    病院にいつも来てくれたから・・。

    すごく幸せだった・・・・・・・・・。』

    姉さん:『ありがと。ありあと・・。』と泣きながら・・。

    『ありがとね。Aちゃんありがとう。』

    Aさん:『・・・・・・・・・・・・』

    Aさんは静かに眠るように息を引き取りました。

    医師による死亡確認がされました。

    日本では安楽死は認められていないため

    遺体は持ち帰りませんでした。

     

    そして、遺灰はスイスの川に流されました・・。

    私は安楽死は賛成派でもありますが、

    日本に骨を埋めたいと思っています。

    そう思うと、今の状況では安楽死に対する

    ハードルはまだまだ高いかもしれません。

     

    日本で骨を埋められないのは日本人としてさみしいものもありますし、

    御墓参りに来てもらえないのもさみしいと言う思いもあります。

    まだまだ、意識が低いのかもしれませんね?

     

    安楽死を認められているのは、

    スイス、ベルギー、オランダ、ルクセンブルグ、オーストラリア

    カナダ、コロンビア、そしてアメリカの一部(認めている州がいくつかあります。)

    日本では延命処置を中止する、

    行わないという意味で消極的安楽死と言っていますが

    少しずつですが認められ始めています。

     

    それに対し、今回のような

    薬の投与による安楽死、これを積極的安楽死と言っていますが、

    これは認められていません。

     

     

    安楽死に必要な条件は以下の4つを満たす必要があります。

    ・耐え難い苦痛がある

    ・明確な意思表示ができる

    ・回復の見込みがない

    ・治療の代替手段がない

     

    安楽死をするからいい、延命処置をするからよくない

    そういう問題ではありません。

    大切なのは、あなたにとって、何が大切かということです。

     

    寝たきりでも家族と共に過ごし、感覚だけでも

    感じられるものを少しでも感じることを大切にされるのでしたら、

    延命措置もありかもしれませんし、

    逆に、延命措置は家族に負担をかけてしまって申し訳ない。

    それに、自分自身が回復できないなら・・・。って

    思ってしまうこともあるかと思います。

     

    それは、自然なことだと私は思います。

    彼女のセリフです。

    『私が寝たきりで天井を見つめてても、

    苦しがっている様子を見ても、生きてて欲しいって言いますか?』

    自分自身でも自問自答していました。

     

    死のあり方を巡る議論が日本でも深まればと取材に応じてくれたそうです。

    『自分で死を選ぶことができるということは、

    どうやって生きるかということを選択するということ同じくらい大事なこと。』

    Aさんの願いでもある『安楽死を日本で考えること』。

     

    答えを出すことよりも、

    まずは、安楽死についてあなたの大切な方々と

    話し合うことなのではないでしょうか?

     

    Aさんは、それを望んで、

    テレビにも出演し、自分の最期も放送し、

    まさに身を持って私たちに語りかけてくれたのではないでしょうか?

     

    そのAさんの思いを大切にして

    あなたの大切な方々と話し合ってみませんか?

    是非、あなたの考えも聴かせてください。

     

     

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    —-『こころの最適化』とは—-

     

     

    私の言う『こころの最適化』とは、

     

    あなたが持っていないものを

     

    新たに手にして改善して行くというのではなく、

     

    本来、持っているものを引き出すことです。

     

    ちょうど

     

    引き出しの奥にしまい込んでいた大切なものが

     

    目に見えなくなってわからなくなってしまった状態から、

     

    しまった場所を思い出してもらって、また目に届くところに置いてもらい、

     

    いつでも使えるようにするイメージです。

     

     

    最後まで読んでくださってありがとうございました。

     

     

     この後もこころの最適化を図って素敵なお時間となりますように。

     

     

     心技体を整えて本来の自分を取り戻すサムライセラピー

     

     寺石義和